食品製造工場の事例
「大幅な増産が必要だが、生産時間延長するための人員確保が困難。自社で行っている衛生作業担当の人員と時間を生産に切り替えて、生産時間を延長したい」
大手食品メーカーからの委託生産を行っているが、委託元メーカーから大幅な増産を依頼された。現状は2交替シフトで運営 ― 第2シフトでは、前半は生産、後半は衛生作業を行なっていた。
衛生作業は自社社員、及び生産ライン担当のアルバイトスタッフと派遣社員で実施していたが、この「衛生作業の人員と時間を生産に振り向け増産依頼に対応したい」との要望に対して、危害分析に基づいた「FSMS(食品安全マネジメントシステム)」を構築し、短期間での作業スタッフの採用と教育訓練を実施して対応。

課題
依頼元メーカーの大幅増産計画に対応する生産体制を構築したいが、地域特性による夜間作業人員確保の困難さと人件費の高騰を考えると、夜間の生産時間延長に必要なスタッフの増員(新規採用)が非常に困難な状況。
従来は、第2シフトの後半で自社スタッフ(社員・アルバイト+派遣社員)が衛生作業を実施していたが、この衛生作業全体をアウトソーシングすることで、衛生作業に要していた時間と人員を生産に振替、第2シフト全体を生産に切り替えことで、現状のスタッフ数で生産時間延長に対応したい。
取り組み
環境モニタリングを実施し、工場の衛生環境の状況と課題を確認。この結果に基づき、「FSMS(食品安全マネジメントシステム)」を作成し、これと並行して、必要なスタッフの採用と教育訓練を実施した。
この結果、約2ヶ月で第2シフト全体を生産に切り替え、大幅な増産計画に対応することができた。
結果
衛生作業全体をアウトソーシングしたことで、工場側は生産に集中し、人員を増やすことなく大幅な増産を実現できた。
アウトソーシング化により、衛生作業に関する費用は増加したが、人件費を増加させることなく生産量を増加させたことで、売上げ増加と併せて、生産効率の改善による生産単価の引き下げを実現することができ、トータルで収益性が大きく向上した。
また、場内の衛生状況も、工場で自社管理していた時と比較すると大きく改善された。


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SOCS担当者のコメント
衛生管理は抱え込まない。合理化が生む、"生産性"と"安心"
工場内の衛生管理を全て“自前”で行うことは、ある意味では“理想的”ですが、人員確保や教育トレーニングなどのコストを考えると、衛生作業のアウトソーシング化は経営合理化にとっても、従業員のモチベーションにとっても有効な選択肢の1つです。
弊社では、ISO22000に準拠した科学的な「FSMS(食品安全マネジメントシステム)」に基づき、工場の衛生環境改善の実現と、合理的な工場運営をお手伝いします。